KLのウマ好き日記

一口馬主ビギナーの日々をつづります

時代の終わりへの手向け

こんにちは、はじめまして。けーえるです。

 

今日の紫苑Sではスタニングローズがサウンドビバーチェとの叩き合いをわずかに制し、春のフラワーカップ以来の重賞2勝目。坂を上った辺りでは逃げたサウンドビバーチェが押し切るか、という恰好でしたがそこから盛り返し、わずかにクビ差前に出ました。オークス2着馬の意地を見せた見事な根性でしたね。3着にはこちらも春からの有力馬、ライラックが後方から突っ込んできました。個人的にライラックはデビュー時からの応援している馬ですから、桜花賞オークスの惨敗から巻き返しを見せてくれてうれしいです。

以上の3頭は秋華賞の優先出走権を獲得。秋華賞でも引き続き有力どころに数えられるでしょう。スターズオンアースの3冠に待ったをかけるのはどの馬か、はたまた怪我を乗り越えて3冠馬が誕生するか、今から楽しみでなりません。

 

 

さて、今日の話題は英・エリザベス2世女王死去のニュースについて。

本当に突然の一報でしたね。前日に体調がすぐれないというニュースが伝えられていましたが、まさかこれほど早く亡くなってしまうとは。6日には英国新首相の任命を行っていたということですから、あまりにも急な展開にただただ驚くばかりです。

 

今年は各所で言われていた通り、エリザベス2世女王の即位70周年、所謂プラチナジュビリーとなっており、競馬的にもロイヤルアスコット開催の短距離GⅠが「ダイヤモンドジュビリーS」から「プラチナジュビリーS」に改称。日本でもエリザベス女王杯が即位70周年記念の祝賀副題がつく予定でした。

英連邦にとどまらず世界全体でお祝いされたイベントでしたから、その最中での訃報はほぼ無関係といえる私ですら、やはり悲しいものがあります。

 

さて、このブログは競馬や一口馬主を中心に取り扱っているブログ。そうした観点で話を広げると、エリザベス女王は若かりし頃から競馬に熱心な人物として有名だったようです。

エリザベス女王の持ち馬として初めて勝利を挙げたのは1949年、障害レースでモナヴィーンが達成。この時、エリザベス2世女王は英国王即位前の20代前半だったということですから、日本の馬主さんたちともまた違うスケール感ですね。

その後、エリザベス女王の持ち馬として初めて名を挙げたトップホースはキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったAureole(オリオール)でしょう。エリザベス2世女王自身の父母の名を冠した世界的大レースを制したAureoleは、父としても凱旋門賞勝ち馬のSaint Crespin(セントクレスピン)などを輩出するなど、種牡馬としても成功を収めました。

 

翻ってエリザベス2世女王は日本競馬への影響力も小さくありません。

もっとも代表的なものと言えば秋の牝馬頂上決戦、エリザベス女王杯。1970年に創設されたビクトリアカップを引き継ぎ、1976年に始まりました。当初は4歳(現3歳)牝馬三冠の最終戦として京都2400mで施行されていましたが、1996年に秋華賞が新設されるとその役割を引き継ぎ、2200mに距離を短縮して4歳(現3歳)以上牝馬限定に条件を変更。牝馬クラシック路線を戦ってきた若駒と歴戦の古馬牝馬がガチンコでぶつかるその名の通り「女王」を決めるレースとして現在まで続いています。

 

さらに、日本競馬最強馬の一頭、ディープインパクトの3代母、Highclere(ハイクレア)も女王の所有馬でした。Highclere自身も英1000ギニー仏オークスを制した名牝というにふさわしい名馬でしたが、かの馬で最も特筆すべきはその繫殖牝馬としての影響力。

初仔のMilford(ミルフォード)は重賞3勝を挙げ、後に種牡馬として日本に輸入もされました。

続く2番仔のBurghclere(バークレア)は、ディープ、レイデオロへ続くウインドインハーヘアのみならず、BCターフを制し日本で種牡馬生活を送るタリスマニックの3代母、Capo Di Monte(カポーディモンテ)や、NHKマイルカップを制したウインクリューガーの母、インヴァイトも輩出するなど、名牝の母として数多くの名馬を送り出しました。

さらに4番仔のHeight of Fashion(ハイトオブファッション)Unfuwain(アンファイン)、Nashwan(ナシュワン)、Nayef(ネイエフ)らを送り出し、近年最強馬として欧州競馬界を席巻しているBaaeed(バーイード)も五代母としてHeight of Fashionのラインに連なるなど、非常に優れた繁殖として後世にその血を残しました。

そのほかにも、Highclereのファミリーラインからは多くの活躍馬が現在でも出続ける、世界でも屈指の名牝系になっています。

 

 

このように、競馬の世界でも大きな足跡を残し続けてきたエリザベス2世女王。歴史に残り続ける偉大な女王であったことはもはや疑いようもありません。そんな偉大な人物の逝去に触れて、一つの時代の終わりを感じるとともに、新たな時代の入り口に立っているのだと、なんだか不思議な気持ちになりますね。